フーリエ解析とは
フーリエ解析という数学分野はフーリエという人が考え出した数学であり、もともとは熱の研究をしているときに熱伝導における数学的な記述を偏微分方程式により導き、その解を求めるためにこのフーリエ級数という理論的概念を構築したのが始まりだといわれています。
そしてそのフーリエ自信は「任意の(すべての)周期関数は三角関数の和として表せる」と主張していたようですが実際にこの主張は大まかに正しいといわれております。
現在にいたっては物理学を中心にしたさまざまな方面の利用、特に画像処理やデータ圧縮、CT、MRIなどの現代科学の基礎技術としてこの数学は大変役立っているようです。
◆コンテンツ
一般的にフーリエ解析といえば主にフーリエ級数、フーリエ積分、そしてフーリエ変換のことをいうのでこのカテゴリーではこれらを扱う予定です。
フーリエ級数
フーリエ解析はこのフーリエ級数が起点となっています。音や電波などのある複雑な波に対して、サインやコサインといった三角関数を使ったより簡単な形で表現できる周期関数の無限級数和によって展開された一連の関数のことをさします。
フーリエ級数展開ではある関数は以下のような形で展開することが可能です。
式中のおよびに関しては以下のようなものになります。
関数における級数展開を上記のようなやなどの三角関数を使い、ある区間において周期的に展開される様々なフーリエ級数展開、フーリエ余弦展開・正弦展開などについて考察していきます。
フーリエ積分
周期的ではない関数があったとします。このときと考えることができます。
こういったとき、フーリエ級数は次のようなフーリエ積分とよばれるものになります。
フーリエ級数同様に上記右辺式内の、およびは以下のようなものになります。
実際に代入してみると、
ここで次のような三角関数の公式、
を使えば次のようなフーリエ積分の公式が導かれます。
境界値問題などにおいて熱伝導方程式を解く際にこの上記の公式に、例えば指数関数の乗数部分にといった変数がある場合はその計算において多少の工夫が必要となります。
フーリエ変換
まずある関数を考えます。ここで虚数単位をとすると、のフーリエ積分表示は、
このときの上記式内のをのフーリエ変換といい、具体的には次のように書きます。
実際の現象を微分方程式などに置き換えた場合、その因果律を導き出すということは簡単なことではありません(むしろ解けないことのほうが多い)。そこでこのフーリエ変換という技法を使うとその現象がわかりやすくなるという利点があります。
例)
例えばつぎに示すような方程式があったとします。
これに対して実際にフーリエ変換を施すと次のようになります。
これより、
こうすることによりにおける世界の現象がの世界の現象に置き換わっています。そうすると今までの世界で見ていた場合わかりずらかったものがに置き換わることで見通しが明るくなり、その現象がわかりやすくなるという利点があるからです。
普段私たちが生きている世界において、さまざまの現象や問題に対する研究や調査によって、その理解を助けるためにはある視点を別の視点から(位相を変える)見通せば新たな視点が得られ理解が深まるということが経験上よくあることかと思います。これは、Aという世界だけで見ていたものをBという世界で見た場合、以前はわかりにくかった現象が明確になり、理解しやすくなることを意味します。
このような視点の切り替えは、問題解決や知識の獲得においてきわめて有効な手段であるといえ、さらには新たな洞察をもたらすことがあります。
フーリエ変換、さらにはラプラス変換といった数学分野はこうしたきわめて有用なツールになります。このカテゴリーではこのフーリエ変換に対して様々な視点から考察していきます。
以上がこのカテゴリー内の主なコンテンツになる予定です。以下のリンクよりお入りください。
フーリエ級数
フーリエ級数とは、ある複雑な周期関数に対し三角関数を使った形で表現できる周期関数の無限級数和によって展開された関数をいいます。
フーリエ積分
周期的ではない関数があった場合、周期は∞になります。こういったとき、フーリエ級数はフーリエ積分とよばれるものになります。
フーリエ変換
実際の現象を微分方程式に置き換えた場合、このフーリエ変換という技法を使うとその現象がわかりやすくなるという利点があります。
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