ベッセル関数

ベッセル関数とは


ベッセルの微分方程式

ヘルムホルツ方程式と呼ばれる式に対し、円柱座標を適用させて得られる方程式に次に示されるような微分方程式があります。

上記の微分方程式をベッセルの微分方程式、または第一種ベッセル関数などといったりします。もともとは天文学者ベッセルによる惑星の軌道運動の考察研究から始まったもののようですがその後の数学者や物理学者たちによって様々な物理現象を解明するに至ったという背景があり、そのためそれらに関連するものも含めてベッセル関数と呼ぶようになったようです。ベッセル関数はヘルムホルツ方程式やラプラス方程式に対して、円筒座標系や極座標系などを適用した場合の分離解として応用され、例えば薄い円形膜の振動の解析などに利用されます。このカテゴリーでは第1種ベッセル方程式の導入とその解の導出、そして第2種ベッセル、ハンケル関数といった変形ベッセル、さらにはその物理的な応用としての円形膜の振動などといった事項を取り扱っていきます。

図は書籍を参考にしてLaTeXによって作成されています

惑星軌道運動の数理解析

ベッセル関数とは、ドイツの天文学者ベッセルによって行われた惑星の軌道運動に関しての解析的な研究から始まった一連の数学関数群のひとくくりのものをさします。ここでは歴史的背景を考慮してケプラー方程式の導出と、そこから導かれる、上記に示したベッセルの微分方程式そのものの導出までの詳細な過程を考察していきます。

ケプラー方程式の導出

図は惑星軌道運動を描いたものです。惑星の運動を表現する場合まず楕円軌道上の点を考え、このは太陽の引力のもとその焦点をとしある時点における動径ベクトルの描く面積が時間の時点において比例する楕円軌道を描くものと考えます。

を楕円の長軸とし、短軸を、離心率をとします。また真円上を回転運動するものと考える点をと置きこの点は楕円軌道上を動く点とは及びで同時に一致するものと考えます。このとき図中の角度はそれぞれ以下のようになります。

この関係において惑星が楕円上を1週するときの周期をとすれば次のような関係が導かれます。

上記相似式と画像の色掛け部分の面積との関係は以下のようにおけます。

このの面積は扇形の面積から三角形の面積を引いたものになるので次のようになります。

また先ほどの関係式より、

これを比較計算するとに関して次のような関係式が求まることになります。

さらにここで先ほどのに関しての式を次のようにし、でてきたをとおきます。

これによりケプラーの式はを考えている楕円軌道の離心率、を角速度、を近日点通過後の時間として以下のように求められることになります。

ベッセル方程式の導出

今ここで上記ケプラー方程式に対してで微分をほどこします。

さらにケプラー式からベッセル方程式を導いていくために便宜上として次のようにおくことにします。

上記式右辺に関しての関数はの連続な周期関数となるので一様収束可能なフーリエ級数として表現することが可能になります。

上記フーリエ級数の係数およびは一般的に次のように表せられるものになります。

なおまた同様に一般的にいえば、フーリエ級数展開式というのは以下のように表せられます。

なのでこれより、

これに当てはめてそれぞれの第1項から第3項までを導出していきます。

より、まず第1項のから行っていきます。

第1項の計算
第2項の計算

第3項の計算

これに関して、今ケプラーの方程式を思い出せば、は遇関数なので奇関数の項のはキャンセルできます(フーリエ級数展開の項目を参照)。

なので第3項のは次のようになります。

まとめれば以下のようになります。

ここで以下の式、

を思い出せば次のようになります。

この式の両辺をで積分します。

ここで右辺第2項の積分については以下のように置換をしています。

これを使って代入していけば次のように求まることになります。

これを元の式に代入して計算していきます。

以下のように求まります。

これにより上記式から離心近点離角のフーリエ級数として求められたということがわかります(参考:薮下信 特殊関数とその応用POD版より)。

さらに上記によりフーリエ係数の関数と見て取れるので今これをという関数とみなしてそれをとおき、のかわりにとおいてこれを微分していきます。

いったんここで三角関数の偶奇性により積分範囲を以下のようにして2倍します。

これをで微分していきます。

まずチェイン(連鎖率の適用)させるために上記方程式を次のようにおきます。

それぞれを微分します。

連鎖率を適用します。

これによりの一階微分は次のようになります。

上記式をさらに微分します。

先程と同様に以下のように分けて微分してチェインさせます。

代入すれば、

の2階微分は以下のようになります。

ここでいったん先ほどの1階微分に戻ります。

この式に対してはここでに対して積分を行います。このとき使用するのは部分積分になります。

部分積分の公式は上記式のに合わせて記述すれば以下のようなものでした。

これを上記の一階微分後の積分式に対してで部分積分をしていきます。

これによりによる一階微分のでの部分積分に関しては次のようになります。

この式の両辺に対して次のようにを掛けます。

さらに今度はフーリエ係数の2階微分の式に対して次のような形にして式を変形させます。

以下のような式が導かれます。

これらの式を以下のようにして辺々たし合わせます。

次のように求まります。

ここでいったん右辺の括弧のなかの式の微分積分に関しての逆算を考えます。

次のような式、

これをで次のように微分します。

であると考えて右辺の積分式に代入します。

となるので以下のような微分方程式が導かれます。

これを整理すれば、

これがケプラーの方程式から求められるベッセルの微分方程式と呼ばれるものになります。

参考書籍

特殊関数とその応用POD版  (著):薮下 信

このカテゴリーではこうした基本事項をふまえながら以下のようなベッセル関数の様々な考察を行っていきます。

ベッセルの微分方程式

円柱座標を適用させ得られるベッセル微分方程式に対してここでは級数展開というやり方によって解を導いていく方法を考察していきます。

ベッセルとガンマ関数

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円形膜の振動

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